ピアノの歴史

ピアノの先祖と呼ばれている楽器はクラヴィコード 、チェンバロ

ピアノはいつ誰の手によってつくられたのでしょうか?

その前に、音が出るしくみによって楽器を分類すると、弦楽器、管楽器、打楽器の3つに分けられます。

ピアノの先祖と呼ばれている楽器には、クラヴィコード 、チェンバロなどがあります。
さらにその祖先をたどると、すべて1本弦の弦楽器に行きつきます。
つまりピアノの祖先は弦楽器だったということになるのです。

クラヴィコードは14世紀に生まれ、ルネサンス期に最もポピュラーな楽器となりました。
鍵盤を押すと、タンジェントと呼ばれる真ちゅうの棒が弦を打ち、振動を起こさせて音を出す仕組みを備えています。
ピアノは、鍵盤の操作によって演奏する鍵盤楽器としても分類されます。
鍵盤のついた楽器自体は古くからあり、音管に空気を送り込むことで音を出すオルガンが独自の発展を遂げていました。そのかたわら、ピアノに一歩近づいたかたちのクラヴィコードが誕生したのです。

チェンバロは、1500年頃にイタリアで生まれ、その後フランス、ドイツ、フランドル、イギリスに広まりました。
鍵盤を押すと、細長い棒状のジャックにとりつけられた爪が弦をはじいて音を出す仕組みです。
弦や響板などの機構や、全体のかたちは非常にピアノに近くなっています。

そして、このチェンバロをもとにピアノの原型をつくったのがイタリアのバルトロメオ・クリストフォリ(1655〜1731)でした。

イタリア出身のバルトロメオ・クリストフォリはチェンバロなどの楽器製作者として活躍し、1688年(当時33歳)よりメディチ家に仕えていました。
熱心な音楽愛好者フェルディナンド・デ・メディチ 大公子が強力なパトロンになってくれたおかげで十分な資金を得ることができ、ピアノを発明することができたといわれています。

クリストフォリは、チェンバロの音が強弱の変化に乏しいことを不満に思い、1709年、爪で弦をはじいて鳴らす代わりにハンマー仕掛けで弦を打って鳴らすという、現在のピアノにつながるメカニズムを発明しました。

17〜18世紀はバッハやハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなど多くの偉大な音楽家が生きた時代です。

そして、このメカニズムを備えた楽器を「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」(弱音も強音も出せるチェンバロ)と名付けました。

イタリア語で「弱い音と強い音のでるチェンバロ(ピアノの原型)」という意味の「クラヴィ チェンバロ・コル・ピアノ (弱く)・エ・フォルテ(強く)」が省略され、「ピアノ」と呼ばれるようになったのです。

現在のピアノ特徴をまとめると次のようになります。

【特徴】
・鍵盤楽器の一種
・白鍵52、黒鍵36、全部で88鍵盤を所有(7オクターブ半)
・鍵盤を押すと、鍵盤に連動したハンマーが弦を叩くことで音が出る
・鍵盤楽器の仲間は、オルガンやアコーディオン、シンセサイザーなどの電子楽器がある

【長所】
・誰でも簡単に音を出せる
・耐久性がある
・低音から高音まで幅広い音域を持っている
・演奏家だけではなく、教育・作曲・作品研究にも役立つ
・多くの音楽家はピアノを使用して作曲している
・音楽を楽しむ基本となる楽器
・弾き手とのコミュニケーションで音色や音質を奏者の思い通りにできる

【短所】
・重いため、持ち運びが大変
・温度や湿度の変化に弱く運搬の際は集中的なメンテナンスが必要

【ピアノのニックネーム】
・英語・・・piano
・ドイツ語・・・Klavier、Hammerklavier、Flugel(グランドピアノ)
・ロシア語・・・фортепиано、рояль(グランドピアノ)、пианино(アップライトピアノ)
・フランス語・・・piano
・イタリア語・・・pianoforte(略してpf、もしくはpianoと呼ばれる)
・ハンガリー語・・・Zongora
・中国語・・・鋼琴(繁体字)

 

サイトマップ