ピアノの選び方

あなたに最適なピアノは?

グランドピアノとアップライトピアノ
さて、実際に選ぶとすれば、あなたに最適なピアノはどちらでしょうか?

ピアノ本来のスタンダードな形をもつグランドピアノと、小型で設置場所を選ばないアップライトピアノ。

その大きな違いは構造にあります。
省スペースに対応し、購入しやすい価格で人気が高いアップライトピアノですが、表現の幅が無限大と言われているグランドピアノと比較すると、全ての機能面で大きな違いが見られます。

ここでは、アップライトピアノとグランドピアノのメリットとデメリットを比較しています。
それぞれのピアノの違いをしっかりチェックして、自分に合ったピアノを選びましょう。

【グランドピアノ】

<サイズ>
・幅約1.5m、奥行1.4m〜3m、高さ約1m
・重量250〜500kg

<特徴>
・地面と水平にフレームと弦を設置。
・奏者の正面方向に弦が張られているため、豊かな響きと多彩な音色で幅広い音楽表現が可能
・大きいサイズになるほど弦が長くなるため、弦が短いピアノよりも表現の自由度が高くなる
・スペースを十分にとった天井の高い部屋に設置することで、その能力が最大限に発揮される

<メリット>
・鍵盤のタッチや音色のコントロール、その他あらゆる機能において無限の可能性を持つ
・ペダルの微妙なコントロールが可能(アップライトと比較するとより繊細な表現が可能に)
・ハンマーが上下に動く(アップライトと比較するとより素早いトリルや連打が可能に)

<デメリット>
・ピアノを設置するための広いスペースが必要
・価格が高い
・調律などのメンテナンス費用が高い
・重量があるため、重さに耐えられる設置場所が必要

【アップライトピアノ】

<サイズ>
・ 幅約1.5m、奥行60cm〜68cm、高さ1.0〜1.3m
・重量200〜260kg

<特徴>
・グランドピアノの内部構造を縦に設置することで、省スペース化を実現
・趣味用から一般家庭のピアノレッスン用、学校の音楽教育用まで、広く親しまれている

<メリット>
・狭い場所に設置可能
・種類が豊富
・価格が安い
・調律などのメンテナンス費用が安い

<デメリット>
・機能面で乏しい部分が多く、表現の幅が狭くなるため本格的なピアノ演奏には向かない
・弦に触れるハンマーが前後に動くため劣化が早い
・ペダルの微妙なコントロールが不可能
・トリルや連打などの素早い打鍵が難しい

いかがですか?

もう少し詳しく異なった視点から見てみましょう。

グランドピアノがそなえている、幅広いダイナミックレンジ、豊かな響き、多彩な音色、手につくタッチ感。
それらのすべてがあいまってこそ、作曲家が曲にこめた豊かな音の表情をあますことなく伝えることができるのです。

グランドピアノの特長は、
・ピアニシモからフォルティシモまで、豊かに響く
・音がなめらかでよく伸びる
・音程感がよい(和音を弾いたとき、一つひとつの音が、濁らずに聞こえる)
・音に微妙な表情がつけられる
・音にむらがなく、バランスがよい
・トリルなど、こまかな連打が思うままにできる

これらの特長が溶け合っていい音が生みだされるため、アップライトピアノよりグランドピアノで弾いたほうが、よりいきいきとした表情をつけることができるといえるでしょう。

また、グランドピアノとアップライトピアノでは、まずアクションの機構に大きな違いがあります。

●グランドピアノ:横型。ハンマーは自分の重さで戻るため、トリルなどの素早い連打もスムーズです。(1秒間に約14回打鍵可能)

●アップライトピアノ:縦型。ハンマーをスプリングで戻すため、トリル?などの素早い連打に限界があります。(1秒間に約7回打鍵可能)

ペダルの機能についても、グランドピアノとアップライトピアノでは異なります。

●グランドピアノ
シフトペダル(左ペダル):音量だけでなく、打弦の位置をずらすことで音色も微妙に変化させられる。
ソステヌートペダル(中ペダル):直前に押した鍵盤のダンパーだけが弦から離れ、その音だけに余韻が残る。
ダンパーペダル:鍵盤から指を離してもダンパーは戻らず、弦は長く振動を続ける。

●アップライトピアノ
ソフトペダル(左ペダル):ペダルを踏むとハンマー全体が弦に近づき、音がソフトになる。
マフラーペダル(中ペダル):ハンマーと弦の間に薄いフェルトがおり、音量を下げる。
ダンパーペダル:鍵盤から指を離してもダンパーは戻らず、弦は長く振動を続ける。

以上のそれぞれの特徴を踏まえてピアノの選び方を考えてまとめてみますと次のようなことになるかもしれません。

趣味や導入でピアノ楽しむ場合はアップライトピアノを上手く活用し、本格的にピアノに取り組む場合、もしくは長くピアノを続けたいと考えている人はグランドピアノを購入するのが賢い選択といえるでしょう。

また、購入時のみならず、ピアノは定期的なメンテナンス(調律)が必要になるため、信頼できる店で選ぶことも大事なポイントになってきます。

予算や環境面をよく考えた上で、自分に一番合ったピアノを見つけてください!

 

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