パニック障害に関係があると考えられているのはノルアドレナリンとセロトニン
パニック障害の原因についてはまだ完全には解明されていないのが実情です。
最近では「脳内の神経伝達物質の機能に異常が生じて起こる」という説が主流になってきています。
脳についてはまだ解明されていないことが多いのですが、人間の脳には、140億個ものニューロン(神経細胞)があり、複雑なネットワークを形成してさまざまな情報の伝達を行っているといわれています。
しかし、ニューロン同士は直接つなかっていないので、神経伝達物質と呼ばれる化学物質の力を借りて情報を伝えているのです。
この神経伝達物質については現在のところ30種類ほど確認されていて、その内パニック障害に関係があると考えられているのは、ノルアドレナリンとセロトニンということです。
ノルアドレナリンは危険が迫ったときに、脳幹の橋にある青斑核という部分から分泌されます。
ところが、この青斑核がなんらかの原因でエラーを起こして、必要もないのにノルアドレナリンを放出してしまうことがあります。
そうすると、大脳辺縁系の異常興奮が視床下部伝わり、パニック発作を引き起こすというわけです。
そして、興奮が予期不安を引き起こし、さらに、興奮が前頭前野に伝わり、広場恐怖を引き起こすと考えられています。
セロトニンについてはまだ詳しくは解っていませんが、分泌過剰や分泌不足が不安や恐怖を誘発するのではないかといわれています。
その他のパニック障害の原因については、ストレスや遺伝も指摘されています。
多少関係があるのではないかと思われています。
ストレスが直ちにパニック障害に結びつくことは少ないですが、肉親との死別や病気などの強いストレスが、発作の引き金になることはあるといわれています。
また、遺伝についても、各国の調査で、パニック障害の患者の一親等で発症率が普通より8倍高いことから、関係があるものと考えられています。
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