電話のマナー

■電話のマナー


ビジネスで欠かすことの出来ない電話ですが、とり慣れていないと電話に出るのが怖いもので、「知らないことを聞かれたらどうしよう」といった恐怖感があります。



■電話応対とは

ビジネスで欠かすことの出来ないものが電話です。しかし、とり慣れていないと電話に出るのが怖いものです。慣れていないということ以外に、「知らないことを聞かれたらどうしようか」といった恐怖感があります。

「電話が怖い」という人は、できるだけ早く担当業務を覚え、課や部内の人たちの業務内容、会社の製品や取り扱い商品などの知識を身につけるようにしましょう。また、会議予定、社内行事のスケジュール、通達や連絡事項などの社内情報もよく把握しておきます。部内、部外を含め、会社全体を知り、社内の事情に詳しくなることで、自信をもって電話をとることができるようになります。そうすることで、顧客や取引先を満足させる電話応対ができるようになります。

電話は、ダイヤルするだけで、いつでも相手を呼び出せる便利なコミュニケーション・ツールです。ただし、受けるほうの身になると、電話に出るためには、やりかけの仕事を中断することになります。電話をかけるときは、相手の状況を考慮したうえで、「迅速」「正確」「簡潔」を心がけるようにしましょう。

■電話対応の基本

電話対応には、「迅速」「正確」「簡潔」が求められます。

@ 迅速
・電話のベルが鳴ったら、3回以内にでる。もし3回以内に出れなかった時は、「たいへんお待たせいたしました」と一言付け加える。

A 正確
・発音をはっきりと、語尾を明瞭に、わかりやすく聞き取りやすい言葉遣いで話します。
・先方の用件は、しっかりメモをとること。5WIH(いつ、どこで、誰が、なにを、なぜ、どのように)を必ず聞くようにします。
・相手がどこの会社の誰なのかをきちんと確認する。相手の名前を聞き違えると、大きな問題を引き起こしかねません。「○○会社の××様でいらっしやいますね」と復唱します。

B 簡潔
・挨拶は忘れないようにしますが、手短かに済ませます。
・時間をムダに使わないためにも、5W1Hはきちんとメモなどに書き、いい忘れなどないように準備しておく。
・顧客の要求を正確に理解するためにも集中力や判断力を身につける。
・そのためにも、総合的な知識(会社概要・商品知識・関係全社・取引先の概要と自杜との関係など)を吸収する。

■電話の受け方

・会社名・部署名を名乗る
最初の一言は聞き取りにくいので、一呼吸おくか「はい」やあいさつの言葉を添えて社名を名乗ります。
 外線直通の場合 「はい、○○社(会社名)××課でございます」
   会社によっては「ありがとうございます・・・」とか、
            「はい、○○社(会社名)◇◇(自分の名前)でございます」
   というように決められている場合もあります。
 内線の場合 「はい、××課でございます」[おはようございます。××課○○(氏名)でございます」

・相手を確認する
相手が名乗らないときは、「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか」と尋ねます。

・簡単な挨拶をする
自分が直接の担当でなくても、「いつもお世話になっております」「いつもありがとうございます」などのように感謝やお礼のあいさつを忘れないようにします。

・用件を正確に聞きメモをとる
5WIHで、正確に用件を聞き、メモをとります。わからないことがあったらそのままにせず、積極的に尋ねるようにします。

・用件を復唱する
メモした内容を復唱します。会社名、名前、日時、数量、相手の電話番号などに間違いがないようにします。

・最後に挨拶をする
「よろしくお願いいたします」「お待ちいたしております」「失礼いたします」
など、内容に応じた締めくくりの挨拶をします。

■電話の取次ぎ方

・名指し人に取り次ぐ
相手の会社名、氏名、名指し人の名前を確認します。「△△ (会社名)の、○○様でいらっしゃいますね」「○○担当の××でございますね」。相手の名前がはっきりしないときは、「恐れ入りますが、もう一度お名前をおっしゃっていただけますでしょうか」と確認します。確認したら名指し人に代わります。「かしこまりました。ただいま代わりますので、少々お待ちくださいませ」
名指し人が離れたところにいる場合は、内線番号を押して、「××さん、△△社の○○様から□□番にお電話です」と知らせます。

・名指し人が他の電話に出ている場合
「あいにく××は、ただいま電話中でございます。そのままお待ちいただけますか」「こちらからおかけ直しいたしましょうか」と相手の都合を聞きます。
相手が待っているときに名指し人の電話がなかなか終わらないようなら、「電話が長引きそうなので、終わりましたら祈り返しこちらからお電話を差し上げましょうか」と再度相手の都合を尋ねます。長い間保留にしておくのは失礼になります。
折り返しこちらから電話をする場合は、必ず連絡先の電話番号を確認します。相手の連絡先がわかっている場合は、「会社へおかけすればよろしいでしょうか」などと、確認します。

・用件で取り次ぎを依頼されたとき
「経理担当の方」などという指定の場合は、先方の名前を確認し、おおよその用件の内容を尋ねて、用件にふさわしい担当者に取り次ぐようにします。電話のたらい回しを防ぐためです。 「経理の○○に代わりますので、少々お待ちください」などと言って、担当者と代わるようにします。

・在席を伝えてはいけない場合
本人が在席していても、出なくてよい電話や名指し人が出たくないような場合は、最初に、名指し人の在、不在を言わないように「○○でございますね。少々お待ちください」といった出方をします。そして、名指し人の都合を確かめます。

■伝言の受け方・伝え方

・伝言の受け方
伝言を受けるときはまず、相手の名前と会社名を確認します。
「○○さんから電話がありました」だけでは、どこの○○さんかわからず、こちらから運絡のとりようがないということにもなるので、会社名と部署や役職、姓名までをきちんと確認します。そして、用件を聞き要約して復唱します。日時、金額、品名といった数字や固有名詞は、間違いのないよう繰り返して確認し、メモをとります。
また、先方に折り返し電話を入れる必要があるときは、念のため相手の電話番号を聞いておくようにします。

・伝言の伝え方
電話応対で問題が起こるのは、せっかくかけてもらったのに、用件が本人に伝わらなかったり、伝わっても内容が違っていたりすることです。そういうミスを防ぐために、メモには用件を正確にわかりやすく書き、電話を受けた時刻や受信者の名前を入れておくようにします。

■言葉遣いのポイント

・「もしもし」は、呼びかけの言葉
電話を受けるときの第一声の言葉として「もしもし」は適切ではありません。「はい」と軽く言って、ちょっと間を置いて、「○○社でございます」と言うようにしましょう。

・「お名前は?」は、尋問口調
先方の名前を尋ねたり、確認するときに、「お名前は?」と尋問□調にならないこと。「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか」と、と言うようにしましょう。

・「ちょっと」は失礼な印象
電話応対の中で「ちょっと」という言葉を使うと、相手は軽く扱われたと思ってしまい、失礼な印象を与えてしまいます。そのような場合は、「少々」「しばらく」「少し」などを使います。「あっち」「待って」なども同様です。

・「はい?」は相手が戸惑う
相手の問い合わせに対して、「はい?」と語尾をあげると、「なんと言ったのですか」と言ったように感じられ、ぞんざいな印象を与えます。本人は、問われたことに対する質問のつもりなのでしょうが、「はい」という言葉そのものには疑問の意味がありませんから、相手は戸惑います。省略せずに、「恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけませんか」などと、きちんと聞き返すようにします。

・社内用語は通じません
仲間同士で、専門用語や略語、暗号めいた言葉を使うのは差し支えありませんが、社外の人には通じません。全く別の意味にとられてしまうこともあります。電話で社内用語を使うときは注意が必要です。誰にでも通用する言葉を使いましょう。

・身内に敬称はつけない
「○○部長はいらっしゃいますか」と質問されて、「はい、○○部長はいらっしゃいます」などと返事をしてはいけません。たとえ上司であっても、社外に対しては身内ですから、敬語、敬称を省いた言葉遣いをします。この場合は、「はい、(部長の)○○はおります」と、言うのが正しい言い方です。

■クレーム電話の対応

お客様からのクレームはさまざまです。
「約束の時刻を過ぎているのに、まだ来ない」「買った商品に傷がある」「社員の応対・態度が悪い」
原因が他の人のミスであったり、自分の責任ではないのに、処理をしなければならないのはつらいことです。

苦情は、相手が納得できるように対応すれば、会社全体の信頼やイメージアップに大きく貢献するチャンスになります。
しかし、対応を誤ると、さらに大きな不快感を相手に与えることになり、会社の信用はさらに低下し、悪い評判が大きく広がってしまうことになりかねません。

こうしたことを防ぐためにもお客様の立場に立ったクレーム対応をしなければなりません。対応のステップは次の通りです。
 @ていねいに詫びる。
 Aお客様の苦情を十分に聞く。
 B苦情の原因を分析する。
 C解決策を検討し、納得のいくように説明する。
 D解決は迅速に行う。
 E最後に再び詫びて、注意してくれたことに感謝する。
 F経過を上司、関係者に報告する。
クレーム電話を受けた人が、新人社員であったり決定権がないときは、ステップAまでにとどめ、その後は上司や先輩(役職者または決定権のある人)に引き継いだほうが、相手の理解や納得が得られることが多いようです。

■FAXの使用

電子メールが一般的に使われるようになり、FAXの使用頻度は少なくなりましたが、仕事では必要なものです。

FAXを使用するときの注意点
@ 電話でのフォロー
FAXを送るときは、必ず資料の確認をして、まず、電話で「これから送ります」と相手に直接連絡を取ってから送るようにしましょう。また、送った後は、こちらから「届きましたか、見えにくい所はありませんか。」とフォローしましょう。
A 番号間違い
何回送っても送信できない場合は、番号をもう一度確認し、再度送信してみましょう。
B 内容の確認
FAXは手紙などに比べると、簡単なため安易に送りがちです。しかし、正式な文章としては通用しませんから重要な書類は必ず郵便で送るようにしましょう。

番号間違いなどで、全く知らない所からFAXが送られてくることが多くあります。自分ではしっかり送ったつもりでも相手に届いていない場合がありますから、確認するという作業を怠らないようにしましょう。

 

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