ビジネス文書のマナー

■ビジネス文書のマナー


ビジネス文書の目的は用件を正確・明瞭・簡潔に伝えることです。
そのためには守らなければならないルールがあります。



■サインと印鑑

ビジネスの世界では多種多様の書類、文書、伝票に接する機会が増えます。その中でも、契約書は最も重要な書類です。そして、それらに関わる重要な行為が署名・押印(捺印)です。署名・押印には法的要因を多く含みますので、よく注意する必要があります。

・記名
自分の氏名を自署以外の方法で記載すること。(ワープロ、印刷、ゴム印、印刷の押印など)

・栂印、書き判
記名押印、署名ほどではないが本人の意思を表示したとみなされます。書き判は、手書きのサインや頭文字を○で囲ったもの。

・記名押印
記名に押印することで、署名と同等の効力を持つとされます。ゴム印+押印も同じです。

・署名(サイン)
欧米では重要視されていますが、日本では押印を重視する傾向にあります。しかし、契約書に自筆のサインをした境合、押印がなくてもそれなりの効力があります。

■印鑑の基礎知識

・契印
2枚以上にわたる文書の各頁にまたがって押印すること。その文書に署名押印した印を使います。落丁、差し替え、抜き取りなどを防ぎます。

・割印
2枚、2組以上の独立した文書の同一性、関連性を示すため、それらの文書にまたがって押印することです。領収書と控え、2通以上作った文書の同一性を示す場合、契約書と覚書きなどに使用します。

・訂正印 
契約書や委任状の訂正箇所と欄外の訂正内容を明記した場所に押印します。訂正箇所には、元の文字が判読できるよう二本線を引き欄外には「削除○字」「加入○字」「○字訂正」などと記します。署名押印と同じ印を使います。

・捨て印
後日、文書の字句を訂正する時のために、あらかじめ文書の欄外に押しておくものです。しかし、そのため、勝手に内容を変更、訂正される危険もあるので安易に押してはいけません。

・消し印
収入印紙の再使用防止のため印紙と台紙にまたがって押すもので、ボールペンなどで書き判してもかまいません。

・止め印
文書の記載が終わったことを示すため、文書の最後尾に押印する物で、「以下余白」と記すことと同じ意味を持ちます。

■ビジネス文書のルール

ビジネス文書の目的は用件を正確・明瞭・簡潔に伝えることです。そのためには守らなければならないルールがあります。

・「結論優先」が原則
先に結論・趣旨を述べ、次に原因・経過、最後に意見・提言の順でまとめる。タイトルをつけて、内容がひと目でわかるようにする。

・簡潔な文章にする
文章は短めに。用件が複雑な時は箇条書きにするなど、一読して内容がわかる工夫が大切。

・事実は正確に
自分の感想やあいまいな表現は使わない。とくに数字や日時、金額、数量などは記憶にたよらず、データを確認しながら正確に書く。

・わかりやすい言葉を使う
その業界にしか通用しないような略語や専門用語はとくに社外文書ではタブー。誤解を招くようなことばや敬語の使いわけにも注意する。

・書いたら読み返す
公式な文書は保存されるもの。書いたら必ず読み返し、上司のチェックを受ける。とくに社外文書は会社としての文書になるので充分注意が必要。

■ビジネス文書の種類

ビジネス文書には、社外文書と社内文書とがあります。ビジネス文書を書くに当たっては、いくつかのルールがありますが常に簡潔さと正確さが必要です。

●社外文書

会社を代表して作るものなので、正確さはもちろんのこと、より礼儀を重んじる文書となります。時候の挨拶を交えつつも、簡潔に分かりやすくまとめます。

・社交儀礼の文書
挨拶状、招待状、礼状、感謝状、紹介状、見舞状等、縦書きが多い。
・商取引文書
通知状、依頼状、注文書、承諾書、督促状、詫び状、抗議文、契約書等。

●社内文書

社内に向けての文書なので、形式よりも簡潔さ、分かりやすさを重視。儀礼的な挨拶文などは、必要ありません。用件のみを簡潔に記載し、一件につき一枚が基本です。整理・保存のためA4判横書きに統一されている場合が多い。

・指示・命令の文書
通知書、通達書、稟議書、企画書、辞令等
・報告・届けの文書
出張報告書、調査報告書、企画書、欠勤届、申請書、始末書等
・連絡・調査の文書
連絡書、案内状等、
・記録・保存の文書
議事録、各種帳票、集計データ等

■ビジネス文書の取り扱い

ビジネス文書の取り扱い上の注意事項

●ビジネス文書を送る時
・署名・押印は押してあるか、訂正があれば、写しの方も大丈夫か。
・重要文書は、発信簿に記載したか。
・宛名の確認、封筒と中身は一致しているか、添付書類に間違いはないか。
・「マル秘」「親展」などの文書は朱書きしてあるか。
・封筒に発信部署名が明記してあるか、封は糊で丁寧に貼ったか、切手料金に不足はないか。

● ビジネス文書を受け取った時
・私信、「マル秘」「親展」扱いの文書は開封しない。
・開封する時中身を切らないように丁寧に開ける、中身の取り残しがないようにする。
・返信の場合は、送信文書の控えを添付する。
・会場開催案内や招待状などは、日時・場所などに下線などを引き見易くする。
・文書を封筒と共にクリップでとめ、重要・緊急の物を上にして上司に渡す。
・必要な物については受信簿に記録する。

●秘密文書の取り扱い
・秘密の程度により、「極秘」「秘」「社外秘」の朱印を一面に押す。
・配布の時は親展の密封書で配布する。
・席を離れる時は引き出しにしまう。
・捨てる時はシュレッダーで処理するか燃焼する。
・保管は鍵のかかるキャビネットを使用する。

 

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